6/6 日曜日>文化祭当日
桜翠学園文化祭スタート！(選択肢入り:2つ)
生徒会の喫茶店は予想よりも早い客足の伸びにより、開店直後から満席になっていた。雅人やサルに虎太郎達も店に訪れて、目玉商品のパンケーキの美味しさに舌鼓を打つ。暫くして、休憩に入る事が出来た幸樹が合流した相手は・・・。
プールだっ！水着だっ！学園祭だあっ！！！(ワガママハイスペック 共通ルート感想 その3)-或訓練された信者の一生より引用
桜翠ゲームショウ！
一緒の休憩になった幸樹と兎亜は、虎太郎に誘われて男子部の部屋に行く。其処ではゲームセンターの模擬店が行われており、幻のゲーム筐体を見つけて遊んだりして彼女は上機嫌になる。
文化祭、お疲れさまでした！
生徒会による喫茶店は大盛況で予定より早い店仕舞いとなった。後片付けが終わると、今度は後夜祭でのイベントが始まろうとしていた。
かつて夢破れた少女は、恋を知り再び才能を爆発させる！！！(ワガママハイスペック アーシェルート感想 前編)-或訓練された信者の一生より引用
微睡みの後夜祭
後夜祭の最中に横になっている兎亜を見かけた幸樹は、彼女を連れて中庭のベンチに座る。他愛もない話をしながら兄妹は静かな時間を過ごす。
6/7 月曜日
兄妹の絆
文化祭の残り仕事を片付けなければならない生徒会メンバーだが、特に後輩組の士気が下がっていた。その状況を見かねたかおるこは、作業の後に打ち上げをやる事を提案する。
6/8 火曜日
6/11 金曜日
6/12 土曜日
妹萌えの極意
幸樹は鷹司さんから妹キャラがメインの長尺エピソードをやらないかという提案を受け、その為のネタ探しを始める。その事を知らない兎亜は、彼が自分を避けられているように感じてしまい未尋に相談する。
6/13 日曜日
6/14 月曜日
6/15 火曜日
抑えきれない気持ち
兎亜とのデートに手応えを感じられなかった幸樹は、ネタが出て来ない事に焦りを感じ始めていた。仮プロットの〆切が迫る中で、今度はかおるこが妹役で彼とデートする事になる。幸樹のその浮ついた様子を見て、兎亜は・・・。
6/15 火曜日
6/20 日曜日
俺の“妹萌え”
鷹司さんから一先ずOKを貰った幸樹は、もう一度兎亜に一緒にデートをして欲しいと頼む。そして、2度目のデートの帰り道で幸樹は自分の想いを彼女に伝える。
一線を越える時
互いがもう引き返せない事を確かにする為に、幸樹と兎亜は兄妹ながら肌を重ねる。
6/26 土曜日
6/27 日曜日
兎亜のサプライズ作戦！
以前とは違うご機嫌な様子の兎亜から、未尋は盛大なのろけを聞かされる。そして、幸樹は兎亜から大量の買い物とその間の絶食を言い渡される。
デザートはわ・た・し？
未尋が帰宅した後、再び2人っきりになった幸樹と兎亜は恋人の時間を過ごす。
7/1 木曜日
7/2 金曜日
7/4 日曜日
夕暮れの帰り道
幸樹が兎亜と付き合い始めてから、デレスクの勢いは上り調子になっていた。そんな中、2人は取材を兼ねた水族館デートをする。
7/5 月曜日
ドキドキ！？ホラー映画鑑賞
サルがデレスクに出てくる楓に夢中になっていたりと、幸樹の周りでもデレスクの人気は少しずつ浸透し始めていた。その夜、彼は兎亜と一緒に苦手なホラー映画を見させられてしまう。
4人のヒロインの中で唯一血の繋がりがある妹、兎亜との話が繰り広げられる「ワガママハイスペック 兎亜ルート」では兄妹でありながらも恋人になる道を選んだ2人が描かれている。ちなみに筆者が初めてプレイしたエロゲ「アマツツミ」では体験出来なかった、実妹との恋愛話を今回ついに経験する事になった。
今回のエピソードの特徴の１つとして、鳴海兄妹の詳細な出自が明らかになる。他ルートでも断片的に彼等の過去は語られてきたが、2人の家庭環境についての深い事情迄は踏み込まれなかった。兎亜の口ぶりから察するに、彼女は特に母親の事を良く思っていないようである。彼女が人とのコミュニケーションに消極的なのは、元々の性格に加えて母親との軋轢も影響しているのかもしれない。
そして、兎亜ルートでもう1つ目立っているのは、幸樹とかおるこが共同で作っている漫画「デレデレスクランブル」略してデレスクである。今回の話において、幸喜はデレスクの登場人物で主人公の妹である楓というキャラを通して、改めて兎亜と向き合うことになる。
楓の長編エピソードを作るにあたり、彼女のキャラクターをより深いものにする為のネタ作りの一環として、幸樹は一時的に兎亜と恋人になりデートをする。しかし、それで彼は納得のいくものが思いつかず、今度は妹になりきったかおることデートを行う。其処でようやく描くべき楓の妹像に、幸樹は辿り着くのである。
これまで実妹キャラの楓を意図的に掘り下げてこなかった幸樹は、自分が描くべき妹像と読者が望む妹像の狭間で揺れ動く。架空の存在とは言え妹を愛するという事に対して、消極的な姿勢を取っていたという点は筆者にも非常に共感出来るものがある。自分の妹を恋愛対象として見るというのは、抵抗があって至極当然の反応である。
「抑えられない気持ち」において、幸樹は妹に扮したかおることデートする。此処だけ切り取れば、かおるこルートと勘違いしそうな展開である。最初こそ彼は可愛らしく愛らしい態度や仕草を見せるかおるこにはしゃいでいたが、結局演技は演技でしかなく気持ちだけが冷めていく。幸樹から見ればその時のかおるこは、妹キャラとして振舞っているかおるこでしかなかったという訳である。
幸樹は帰る前のかおることのやり取りで、彼女に兎亜の可愛いところを聞かれる。その時の彼の答えは、驚くほどスラスラと出てきた。実は幸樹はもう既に答えを持っていたが、今迄気付く事が出来なかったのである。彼が知っている妹の可愛さは、即ち兎亜が持っている可愛さそのものである。同時にそれは彼にとって代替出来ないかけがえのないものである。いつも身近に感じていた筈の兎亜の可愛さを、幸樹はようやく思い知ったのであった。
一方で、兎亜はかおること意気揚々とデートする幸樹に強烈なイライラを抱いてしまう。彼女自身はまだよく分かっていないようだったが、傍に居た未尋と我々には嫉妬心を持て余しているようにしか見えなかった。特に、デート中かおるこの意味深な発言に動揺する幸樹に対し、遠くからでも分かるほどのプレッシャーをかける兎亜は面白かった。幸樹の地の文の間に挟まった、闇の中に一瞬怒った兎亜の立ち絵がカットインする演出はなかなか良かったと思う。
それぞれがお互いを意識するようになったその時、2人の運命を決定づける出来事が起こる。午前3時に風呂に向かう途中で、兎亜の部屋を覗いた幸樹は其処で切なげにオナニーする彼女の姿を目撃してしまう。かおるこに気持ちを向ける幸樹に嫉妬を見せる気持ちと、もっと彼に自分の事をかまって欲しいという気持ちが、彼女の中でごちゃ混ぜになり自分を慰めるしか気持ちのやり場が無かったのかもしれない。
明らかに自分を求めて行為に励む彼女を見て、幸樹は釣られるようにしてオナニーをしてしまう。普段なら絶対に見せないその兎亜の痴態は、彼にある意味で最も鮮烈な「妹萌え」として映ってしまった。兄である自分をオカズに発情する妹、理性を飛び越えて幸樹を求める兎亜の姿に思わず劣情を催してしまう彼の心情は複雑である。そうまでして自分を求めてくれる嬉しさと、其処まで兎亜を追い詰めた自分の愚かしさで幸樹の胸は一杯だったのかもしれない。
未尋ルートで彼女を手助けした兎亜のように、今回は未尋が兎亜の恋を応援しているのが見てとれる。兎亜のややこしい相談に付き合ったり、幸樹と兎亜の恋路を真っ先に応援したりと、彼女達の友情はどんなルートでも変わらないという事を示してくれる。個人的には「妹萌えの極意」で幸樹の部屋に突入した時の、未尋の江戸っ子調の台詞は何度でも聞きたくなるくらいにお気に入りである。
兄妹という関係を飛び越えて恋人として結ばれた幸樹と兎亜。世間的には許されないと分かった上で付き合い始めた2人は、彼等だけの生き方や想いを貫けるのかを試される・・・。
