6/6 日曜日>文化祭当日
桜翠学園文化祭スタート!(選択肢入り:2つ)
生徒会の喫茶店は予想よりも早い客足の伸びにより、開店直後から満席になっていた。雅人やサルに虎太郎達も店に訪れて、目玉商品のパンケーキの美味しさに舌鼓を打つ。暫くして、休憩に入る事が出来た幸樹が合流した相手は・・・。
プールだっ!水着だっ!学園祭だあっ!!!(ワガママハイスペック 共通ルート感想 その3)-或訓練された信者の一生より引用
ようこそ占いの館へ
一緒に休憩する事にあった幸樹と未尋は、占いを企画する出店に入る。最初は幸樹の運気アップを占って貰う筈だったが、彼女はいきなりカップルとしての相性占いをして欲しいと言い始めた。
文化祭、お疲れさまでした!
生徒会による喫茶店は大盛況で予定より早い店仕舞いとなった。後片付けが終わると、今度は後夜祭でのイベントが始まろうとしていた。
かつて夢破れた少女は、恋を知り再び才能を爆発させる!!!(ワガママハイスペック アーシェルート感想 前編)-或訓練された信者の一生より引用
先輩、踊りましょう!
幸樹と未尋は、後夜祭の演目である校庭でのフォークダンスを一緒に踊る。途中で2人一緒に転んでしまうアクシデントがありつつも、いつも以上に彼等の雰囲気は良くなっていた。
6/29 火曜日
6/30 水曜日
7/3 土曜日
7/5 月曜日
宮瀬未尋の憂鬱
洋食屋「宮瀬」の人手不足を解消する為に、一時的にバイトをする事になった幸樹。未尋の両親は彼が手伝ってくれる事に対し好意的で、冗談交じりながら将来は店を継いでくれる期待も覗かせてる。そして、未尋は幸樹が自分の事をどう思っているのか気にするようになっていた。
7/6 火曜日
7/7 水曜日
7/8 木曜日
恋する乙女はなに思ふ?
鳴海兄妹は未尋がコンビニで雑誌の立ち読みをしているのを見かける。何かを察した兎亜は幸樹を先に帰らせて、1人で彼女に話しかける。そして、未尋が幸樹に恋心を抱いているのを知った彼女は、兄には秘密の作戦会議を提案する。
7/9 金曜日
7/12 月曜日
7/15 木曜日
想いは同じ
幸樹は自分の中の未尋に対する気持ちが変化している事に気付いていたが、それが何なのか分からない。しかしサルや雅人、それに生徒会メンバーに相談して、彼は自分の彼女に対する想いを伝える決心を固める。
7/16 金曜日
先輩成分が足りません!
晴れて恋人同士になった幸樹と未尋だが、彼女の両親には既に筒抜けだった。それから、2人は互いを求める気持ちが一層強くなっていく。
7/18 日曜日
未尋のワガママ で・え・と!
幸樹と未尋の初デートは、その日一杯彼女のワガママを沢山聞くというものだった。彼は未尋からの嬉し恥ずかしな要望に振り回されながら、充実した時間を過ごす。
今日最後のワガママ
深夜、未尋が幸樹の部屋にやってきた。未尋の望みを聞いた幸樹はその願いを叶えようと、彼女の純潔を奪う。
幸樹の後輩にして兎亜の親友且つ料理の才能を持つ女の子、宮瀬未尋。そんな彼女に焦点が当てられた「ワガママハイスペック 未尋ルート」では、先輩と後輩という従来の関係から恋仲になった2人とその顛末が描かれている。
未尋は幸樹の妹である兎亜を除いて、本編の序盤から他のヒロインより彼と親しい関係にあった。彼女は自分より年上の幸樹へ非常にフランクな態度を貫いているが、それは彼だけに対する特別な接し方である。その根底にあるのは親愛の情であり、幸樹も彼女のそうした天邪鬼めいた言動を好意的に受け入れていた。普通の先輩後輩の関係とは一線を画していても、その方が2人にとってはお互いに居心地が良かったのだろう。
しかし「宮瀬未尋の憂鬱」において、彼女は遂に自分の本心と向き合う事になる。これまでの未尋と幸樹のやり取りの中にも、彼女の隠れた異性としての想いが見え隠れしていた。だが、未尋が幸樹と他の生徒会メンバーが楽しげにしている所に出くわした時、彼女の胸中に初めて嫉妬心が湧き始めた。例え自分より年上であったり自分の親友だとしても、自分の好きな人と一緒に笑っている以上例外は無いのである。誰かを好きになるという事は、時に人間の独善的でエゴイスティックな感情を剥き出しにすることにも繋がる。
それから未尋は度々幸樹を避けるようになる。自分を真っ先に見てくれない彼への苛立ち、彼の周りに居る女の子より自分の魅力が劣っているのではないかという不安、彼女の中で燻る複雑な気持ちは彼女自身を追い込んでいく。
心を閉ざす未尋に対して幸樹は諦めない。彼自身も今迄とは違う様相を見せ始めた彼女を気にしていた。原因は分からずとも彼女と今迄通り話せないのは耐え難い事であり、その執念が実ったのか幸樹はようやく未尋と話すきっかけを得る。乙女心に鈍いと言われようと簡単に諦めたりはしない、それが彼の良い所である。
未尋と再び会話する直前に幸樹は、川で溺れていたアヒルを助ける。最初に気付いたのは未尋だが彼女が転んだ隙を見て、彼が真っ先に川に飛び込んだ。動物を助ける為とは言え、彼女にそれをさせるのは危ないと判断したからである。共通ルートでの虎太郎の悩み相談に尽力したり、勢いで文化祭実行委員になってしまったサルの不始末に対処したりと、幸樹は見捨てる事が出来ない性質なのである。恐らく未尋は、彼のそんな心根に惹かれていたのかもしれない。
幸樹への恋心を自覚した後の未尋には、以前のような後ろ向きな迷いは無くなっていた。兎亜からの助力を受けながら、彼を振り向かせる為に様々な作戦を企てて実行していく。恥ずかしさを我慢しつつもアタックしていくのは、実に未尋らしいと思う。その行動力は後の初デートでも発揮されていて、幸樹同伴のランジェリーショップでの買い物や、カップル用ストローを使ったドリンク回し飲みは彼女発案によるものである。
幸樹と未尋が恋人になる迄の過程は、どちらかと言えば平凡よりではあるものの手堅く描かれていて、彼女の複雑で移ろいやすい恋心が分かりやすく表現されていたと思う。また、本筋以外での登場人物同士のやり取りや小エピソードも面白く、共通ルートの時のような学園コメディの雰囲気も再び楽しめられた。特に、幸樹と未尋だけでなく彼の友人であるサルや雅人に委員長を交えた5人でお昼ご飯を食べる場面は、登場人物の珍しい組み合わせも相まってとても印象的である。
晴れて結ばれた幸樹と未尋、2人の恋人としての将来はどうなっていくのか。やがて訪れる苦難が彼等の絆を試すかのように足を忍ばせていた・・・。