料理と漫画を作る、両方やらなくっちゃあならないのが先輩の辛い所だな!!!(ワガママハイスペック 未尋ルート感想 後編)

7/25 日曜日
7/26 月曜日
7/30 金曜日

寂しいのは私だけ?
連日幸樹とベタベタくっついていた未尋だったが、兎亜からの苦言とアドバイスにより1週間ほど彼とくっつかずに過ごす提案を受け入れる。その頃幸樹も未尋の為にある決断を下そうとしていた。

『夢』と『希望』に挟まれて
降りしきる雨の中、橋の下で互いを求めあう幸樹と未尋。未尋のパイズリで1度精を放っても収まらない幸樹は、自宅の風呂場に移動してシャワーを浴びつつ後ろから彼女を味わう。

弟子入り志願
幸樹は未尋の両親であるつばめさんと才さんに直談判をする。2代目としてお店で修行するという彼の願いは、漫画の連載ペースを落としてまでもやり遂げるという未尋との将来を考えての決断だった。

8/9 月曜日
8/10 火曜日
8/11 水曜日
8/12 木曜日
8/13 金曜日
8/14 土曜日

『宮瀬』存続の危機!?
才さんとつばめさんの深刻そうな話を耳にした未尋は、お店が無くなってしまうのではないかと幸樹に電話で訴える。生徒会メンバーに相談しても良いアイデアが出ず悩む幸樹だったが、接客中に「丼フェス」の話を聞き其処で優勝すれば店の経営を立て直せるチャンスだと考える。

8/15 日曜日
8/17 火曜日
8/26 木曜日>丼フェスまであと3日
8/27 金曜日>丼フェスまであと2日

秘伝のレシピを作り出せ!
丼フェスへのエントリー許可を貰った幸樹と未尋は、新メニュー開発に乗り出す。生徒会メンバーやサル達から試食や助言を貰い、「宮瀬スペシャル」を完成させる。

8/29 日曜日>丼フェス当日

夢を叶える場所
幸樹と未尋は「宮瀬スペシャル」で優勝目指して、一生懸命売り込む。途中で生徒会メンバーにも手伝って貰い、見事に優勝を果たす。

一足早い新婚性活
未尋との約束通り、幸樹はエプロン姿の彼女を抱く。

9/4 土曜日
数年後

夢を叶える場所 (再)
どうしても閉店はすると言ってきかない才さんに対して、負けじと食い下がろうとする幸樹と未尋。閉店の理由は彼等を驚かせるものだった・・・。

先輩、ゲームのお時間です!
ワールドフードフェスで上位入賞を果たした幸樹と未尋は、祝勝会を楽しんでいた。お酒が入りいつもより大胆になっている未尋は子作りをしたいと言い出し、幸樹に対してどっちが早く相手をイかせられるの勝負を仕掛ける。

おまけ
偶々体育の授業が重なった幸樹と未尋は共に自販機まで行きジュースを回し飲みするが、その間に授業が始まってしまう。仕方なく授業をサボる事に決めた2人は生徒会室に行くが、其処で彼女がエッチをしたいと言い出して・・・。

「ワガママハイスペック 未尋ルート」は他のルートと比較して全体的に明るめで、ストレートに楽しめる話に仕上がっていたと思う。個人的にはもう少しだけ尺を長くしても良かったとは思うが、冗長さが目立つよりはマシなので許容範囲である。

「『宮瀬』存続の危機!?」以降では今後のお店の隆盛を担おうとして、幸樹と未尋が丼フェスで優勝を狙う為の新メニュー開発に挑むという流れが物語の中心になる。新メニュー開発と言えば共通ルートで文化祭での喫茶店の為に美味しいパンケーキが作られたが、今回は勝たなければいけない理由がある以上より真剣さが伴うものになっている。

特に未尋ルートでは料理という題材が出てくるので、必然と具体的な食材や関連した知識が本編中に出てくる。筆者は料理関係に詳しくないものの、少なくとも話の中に出てきたリゾーニ丼が美味しそうだと思えるぐらいには、此方の食欲を刺激させるようなやり取りや描写が良く出来ていたと感じる。

エロゲに限らずフィクションではどうしても専門的な知識を必要とする場面を描く場合、事前のリサーチや関連資料が必要となる。そして、現実にぴったりと即しているかは別として、最低限それらしく素人でも一先ず納得出来るような見せ方が出来れば、リアリティが感じられて物語に深みが出るというものである。未尋ルートも其処に関して問題なく仕上がっていたと思う。

未尋ルートで忘れてはいけないのは、彼女の両親である才さんとつばめさんである。ワガハイのヒロイン達の両親の中で唯一本編に直接登場してくる人達であり、筆者としては彼等専用の立ち絵があっても良かったと考えている。才さんは洋食屋「宮瀬」の料理人として腕を振るっている未尋の父親である。口数は少ないものの家族やお店を大事にしている。つばめさんは彼女の母親であり、寡黙な夫とは対照的におしゃべりが好きな女性である。

鳴海兄妹は過去に宮瀬家にお世話になった事があり、幸樹は其処で衣食住、特に料理に関する様々な事を学んでいた。彼は今でも彼等に対して恩義を感じており、特に未尋と付き合うようになってからは彼女との将来も含めて「宮瀬」の2代目を背負って生きていくのが、最大の恩返しに繋がると考えるようになる。

ヒロインの両親も出てくると、それだけで物語に奥行きが出てきて面白味が増えてくる。元々幸樹に好意的な宮瀬夫妻とは言え、改めて彼等相手に未尋との将来を宣言するのは彼にとって、容易ならざる行為である。現実でも見られる、自分が交際している相手方の両親への挨拶に関する場面が描かれているのも、未尋ルートならではの特色である。

未尋ルートの終盤で「宮瀬」が閉店をするというのは未尋の勘違いであり、本来は店舗移動の為の一時休業だったというのが明らかになる。幸樹曰く時々大事な所が抜けてしまうという彼女の欠点が、今回の話のオチとして大いに使われていて、コメディ色の強いワガハイならではの落としどころになっている。それでも1つの勘違いをきっかけに料理のコンテストを優勝してしまうのだから、未尋の才能はまだまだ底知れぬものかもしれない。

ちなみに「夢を叶える場所」の後半部分の語りや「先輩、ゲームのお時間です!」の幸樹と未尋が飲酒している描写から、2人が既に成人している事が分かる。学園卒業から更にその後の未来を描いているという点では、未尋ルートが1番のようである。恐らくだが、兎亜も相変わらず一緒に暮らしてるのだろう。

ずっと近くに居ながら大きな一歩を踏み出せなかった幸樹と未尋。しかし、2人はお互いの存在の大きさに気付きずっと一緒にいる事を誓った。料理も漫画もそして、幸せな家庭をワガママだとしても掴もうとする彼等の素敵な日々はこれからも続いていく。

タイトルとURLをコピーしました