己の威信をかけて刀を振るう若き武士達!!!「オリエント」読んでみた!!!

第53話 島津の剣技 (初出:週刊少年マガジン2019年33号)
初めて外部の人間に対して純粋に己の剣術をぶつけられる事に、高揚感を味わう武蔵。だが、秋弘の剣術は彼の想像を超えるものだった。

第54話 島津小隊 (初出:週刊少年マガジン2019年34号)
まだ自身が意識を失った事に気付いていなかった武蔵は、自分が負けた事にようやく気付く。枠の中で勝負は続いていたが、勝巳も秋弘に一方的に蹂躙されているも同然だった。

第55話 犬田八咫郎 (初出:週刊少年マガジン2019年35号)
小隊長に就任した秋弘は、作戦内容を伝えた後に自分の命令に絶対服従しろと隊に言い渡す。それに納得出来ない武蔵は彼に反論するが、一蹴された上にみちるにも自分の考えを否定されてしまう。

第56話 船上の屈辱 (初出:週刊少年マガジン2019年36・37号)
小隊の中ではみ出し者のような状態になってしまった武蔵は、同じ隊で存在感の薄い野口雉之介と知り合うが、その直後に鬼神の襲来が発生する。

第57話 竜の字 (初出:週刊少年マガジン2019年38号)
武士団の船に襲い掛かる緑色鬼「口裂鬼」の角を折ろうとする武蔵だったが、上手くいかない事に焦りを覚える。すんでのところで鬼に食われそうになる彼を救ったのは、直江兼竜による一撃だった。

第58話 百鬼粉砕 (初出:週刊少年マガジン2019年40号)
新たに出現した100匹の鬼を一気に倒す兼竜を見て、船に居た全ての人々の士気が一気に盛り上がる。その光景を見た武蔵は、彼の強さに圧倒される。

第59話 引力 (初出:週刊少年マガジン2019年41号)
兼竜の先導により淡路島に近づいた武士達の中で、秋弘もまた鬼の角を折り始めていた。彼等と自分の差が分からない武蔵だったが、雉之介の教えにより武士の戦い方を知る。

第60話 包容力の権化 (初出:週刊少年マガジン2019年42号)
武蔵は鬼鉄刀の連携による戦い方を知らなかった事が周りにばれてしまい、完全に小隊から孤立してしまう。合戦から抜けようと途方に暮れていた武蔵を、勝巳が呼び止める。

第61話 煌めき (初出:週刊少年マガジン2019年43号)
勝巳のスパルタを受けながら、武蔵は刀気を繋ぐ練習を開始する。しかし、それと同時に八咫郎の刺客が動こうとしており、その正体は・・・。

第62話 黒の両翼 (初出:週刊少年マガジン2019年44号)
八咫郎の期待に応えようと武蔵を殺そうとするみちるだったが、彼を好きになったせいで任務を果たせずにいた。だが、武蔵の刀気を繋ぐ練習を手伝った時に、その儚い抵抗は終わりを迎える。

前巻に引き続き、淡路島奪還作戦編の模様が描かれているオリエント第7巻では、他の武士の間で揉まれながらも成長しようとする武蔵の葛藤を中心に、さらなる盛り上がりを見せていく。武蔵はこれまで以上に多種多様な武士達に出会う中で、彼の目指す武士の姿を見出すのである。

鬼鉄刀を手に入れ鬼神を倒す力を手に入れた武蔵だが、それは武士としてのスタート地点を切ったに過ぎない。黒曜の女神の力を自由に使えない彼にとって現段階で頼れるのは己の剣技だけである。しかし、秋弘と勝巳を交えた勝負に負けた武蔵は、自分以外の剣技を持つ武士達の実力を目の当たりにする。

武蔵に土をつけた男、島津秋弘は元々島津武士団を率いる立場に居たが決闘を経て、小隊長の座に着いた武士である。その実力は同年代の武士達に比べて一際高く、最前線で口裂鬼の角を折る役目も果たしている。彼が扱う鬼鉄刀「天狼鉄脚」は足に装着する仕込み刀という珍しい武器であり、それと強靭な下半身を駆使したアクロバティックな戦闘が特徴的である。尚、それは島津武士団に居る全員が所有していて、名家とされる島津家による代々受け継がれし戦闘技法のようである。

その凄まじい戦闘能力に比例するように、秋弘の振る舞いもまた冷酷で尖ったものを感じさせる。小隊長への絶対服従や小隊を維持する為の規律や罰則を課すといった、徹底的なトップダウンに基づく采配を投じている。それは、武蔵や勝巳の精神的弱さを徹底的に糾弾しつつ、その場の全員に自分が小隊長として相応しいのを見せつけようとする強引さからも見てとれる。

武蔵はこの秋弘に、徹底的に差を見せつけられる事になる。武士としての強さもだが、それ以上に精神的な面において彼の未熟さが露呈してしまうのである。それを実質的に示したのは直江兼竜である。

兼竜は武士として充分な力量を持ちながらも、自らの本分は戦いよりも武士団中枢の管理運営だと自負する一風変わった男である。それを示すが如くかなり几帳面な性格であり、普段の雑務は勿論の事、戦闘時でも無秩序であったり不規則なものに容赦しない。そして、自分の存在や功績を過度にアピールする事はせず、ただ武士団の為に身を粉にして働くのである。

鬼鉄刀「龍鎖烈刃刀」を使い沢山の鬼神を一気に殲滅する兼竜の戦い方は、その場に居る武士や非戦闘員達を鼓舞し勇気付けるものだった。武蔵は彼の戦い方を見て、武士としての圧倒的な差を見せつけられる。それは、人間が鬼神に勝る唯一の長所である「連帯」が鬼神退治の要であるだけでなく、今の自身の戦いでは鬼神に苦しめられる人々に希望を与えられないという事である。

ひたすら力で敵をねじ伏せようとする秋弘の強さに、人々に勇気と希望を与える強さを持つ兼竜、それぞれの強さを見味わった武蔵はどんな強さを手に入れんとするのだろうか。

追記

マガジン連載当時、本編の最後に予告されたサブタイトルのうち、実際には変更されたものがいくつか存在する。変更される前の謂わば仮タイトル扱いとなったものを此処に纏めておく。

第53話 島津と尼子
第54話 本性
第55話 隊長の資質
第57話 竜
第59話 星のきらめき
第60話 これから
第61話 刀気
第62話 小石

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