黒曜の女神、それは日ノ本を救う最後の希望となるのか。「オリエント」読んでみた!!!

第33話 ブサイクな魂 (初出:週刊少年マガジン2019年10号)
鬼鉄刀を奪う為に武士達に襲いかかる「刀狩り」を、無慈悲に行う犬飼四郎。彼の狙いが自分である事を確信した小次郎は、敢えて他の武士団から離れて単身立ち向かおうとするが・・・。

第34話 武士団とは (初出:週刊少年マガジン2019年11号)
武蔵がようやく小次郎とつぐみの元に戻ってきた。その一方で犬飼の元に七緒も合流し、彼等の命を奪おうとする。

第35話 犰尾七鉦刀 (初出:週刊少年マガジン2019年12号)
七緒の繰り出す鬼鉄刀「犰尾七鉦刀」による攻撃に四苦八苦する武蔵達だが、3人で連携して戦う事に活路を見出そうとする。

第36話 7対3 (初出:週刊少年マガジン2019年13号)
小次郎の作戦により「犰尾七鉦刀」の一部を破壊した武蔵達は、一気に士気を高める。しかし、一刻も早く目的を達成したい犬飼は、七緒を差し置いて単独で戦いに打って出る。

第37話 真っ逆さま (初出:週刊少年マガジン2019年14号)
犬飼の鬼鉄刀の力は、武蔵達が居る場所の天地をひっくり返した。鬼神とは全く性質の違う凄惨な技に対して絶体絶命の武蔵の前に、再び黒曜の女神が姿を現す。

第38話 黒曜の覚醒 (初出:週刊少年マガジン2019年15号)
黒曜の女神は武蔵をその場から助けようとするが、彼は自分だけ助かっても意味が無いとそれを拒絶する。武蔵の真意を知った女神は、遂に彼を受け入れる。そして・・・。尚、本誌でのサブタイトル表記は「黒曜の力」だったが、単行本では上記のように修正されている。

第39話 女神の力 (初出:週刊少年マガジン2019年16号)
武蔵の身体を借りた黒曜の女神は、刀気を自在に操る力で七緒の攻撃を軽々と退ける。この世で長く活動出来ない女神は再び眠りにつく前に、犬飼達に強大な刀気の一撃を放つ。

第40話 流星群の一撃 (初出:週刊少年マガジン2019年17号)
女神は放った一撃は結果的にその場の武士達を救ったものの、犬飼と七緒はすんでのところで生き延びていた。しかも、彼等が探していた黒曜の女神の宿主は、実は・・・。

第41話 刀に宿るもの (初出:週刊少年マガジン2019年19号)
犬飼との戦いが終わった後、死んでいった武士達が遺した鬼鉄刀による弔いを武蔵達は見守っていた。そして、再び武蔵は「刀の試し」に挑戦する。

第42話 この道の先に (初出:週刊少年マガジン2019年20号)
「刀の試し」に成功した武蔵の魂の色は、他より持つ者が少ない赤だった。その後、武蔵は同じく「刀の試し」をした小次郎に、一度目の試しで体験した事を話す。

武士団結成初の武蔵達3人での共闘や、鬼神とは違う明確な悪意を持った犬飼四郎の脅威、そして武蔵の中に眠っていた黒曜の女神の正体等、これからの展開を占う上で外せない情報や見所が盛り込まれたオリエント第5巻である。

これまで本編では武蔵達の居る日ノ本を蝕む存在として、鬼神の事が大きく取り沙汰されていた。しかし、犬飼と七緒の登場を以て人間の側にも彼等が対峙しなければならない敵が居る事が明らかになる。彼等も鬼鉄刀を使うという点においては同じ武士であるものの、その目的は全く別にあるらしい。

今迄登場してきた武士達とは、根本的に考え方が異なるのが犬飼四郎という男である。彼は武士でありながら仲間を必要とせず、己の強さだけを信じている。一応、配下である犬坂七緒と行動自体は共にしているものの、戦う時は常に単独で動いている。個々の強さの優劣はあれど集団で鬼神と戦う事を常とする武士団の在り方からすると、彼の戦い方はまさに真逆の思想である。

犬飼がこだわるのは己の強さだけではない。「刀狩り」の一環として他の武士団達や小次郎を襲った際に、彼は武士達の「魂の色」を気にしていた。小次郎のように自分に敢然と立ち向かってくる者の魂はきれいな色と称し、逆に恐れをなして逃げんとする武士達はぶさいくな魂であると軽蔑していた。何故なら戦いに挑む姿勢を貫く武士は、彼が求める質の良い鬼鉄刀を形作る「材料」になるからである。その他大勢の武士は、犬飼にとって寧ろ鬼鉄刀の付属物でしかないのだろう。

力を合わせて強大な敵に立ち向かうのが武士の在るべき姿なら、犬飼のような1人で全てを薙ぎ払える強さを持つ武士は、まさに異物である。ある意味、武士団の存在意義を否定してしまうアンチテーゼのようであり、これからも武蔵達を脅かす障害として立ちはだかるのは必至と言える。

黒曜の女神に認められ武士として生きる道を再び見出した武蔵は、小次郎やつぐみと共に再び鬼退治の旅に出る。新たに手に入れた力や更に深まった謎は、彼等を何処に導くのだろうか?

追記

マガジン連載当時、本編の最後に予告されたサブタイトルのうち、実際には変更されたものがいくつか存在する。変更される前の謂わば仮タイトル扱いとなったものを此処に纏めておく。

第33話 不細工な魂
第34話 刀、重ねて
第35話 七つの刃
第36話 小次郎の策
第37話 犬飼の実力
第38話 決断
第40話 天下の大罪人
第42話 日ノ本

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