CDの終わりとデジタルミュージック・ワンダーランド

「現在」CDプレーヤーを積極的に使っている人はどれくらいいるのだろうか。
恐らく殆どいないだろう、と筆者は予想している。筆者自身、もうCDプレーヤーは使わずにHDDに取り込んだ楽曲データをPCで聞いている。手元にあるCDは万が一の為のバックアップのようなものである。しかし、筆者はもうCDよりもハイレゾの方に興味があり、欲しい曲は殆どダウンロードで買う事になる筈である。CDを買う機会は更に減っていくだろう。

今時のナウでヤングな音楽の聴き方は、ストリーミング配信だろう。有名所だとAmazonミュージックやSpotifyなどがあるが、筆者はダウンロード購入が好きなのでこちらに手を出す事は当分ない。それにロックバンド関連の楽曲はともかく、アニメやエロゲのサントラの扱っていないからというのもある。いずれにせよ今の時代、音楽を楽しむのにCDは必要不可欠ではなくなった、と考えるのが妥当である。

現在、筆者は約200枚のCDを所持している。正直言うと半分邪魔である。物理的所有欲は満たせるが、それだけである。例えば、UVERworldの「ALL TIME BEST」だって、パッケージ自体そこそこ大きく収納も楽ではない。引っ越しの事も考えると気が滅入りそうになる。だが、HDDで楽曲管理出来れば所有しているCDのうちの半分は、処分出来る可能性がある。昔では考えられなかった事である。

CDを買うメリットの1つとして、歌詞を収録したカードやブックレットが手に入ることをメリットとしてあげる人も多いだろう。確かにその事を一概に否定するつもりはない。しかし、思い返してみると自分が実際に歌詞カードを手に取って読んだ記憶が殆ど無いのである。その主な理由は歌詞カードを汚したくなかったからである。個人差はあるだろうが、筆者は手汗が酷い。だから、ただでさえ紙質が高いとは言えない歌詞カードを長時間触る事は心理的にもかなりの抵抗があったのである。今は手持ちのCDに付属している歌詞カードを少しずつPCに打ち込んで、曲に埋め込むなりワードファイルなりにしている最中である。この作業には時間と慣れが必要だが、一回やってしまえば後は好きに読む事が出来る。その作業中にじっくり歌詞カードを眺めて初めて気づいたのだが、歌詞カードの文字は意外と小さく読みにくいのである。本とは違うのでしょうがないで済ませてしまえばそれ迄なのだが、人によってはかなり目の負担になる筈である。その分、PCなどのディスプレイであれば少なくとも字の大きさで困る事は無くなるので、便利なものである。

「ダウンロードストアで配信されている曲はCDより音質が悪い」、だからより音質の良いCDを買うという人も居るかもしれない。筆者もかつてはそういう考えを持っていた1人である。しかしCDの上位互換的立場にあるハイレゾが出てきた以上、そちらに切り替えた方がいいのではないのだろうか。あまりオーディオには詳しくないので、そっちの方に話を転がす事はしない。しかし、筆者がハイレゾを買う動機を代弁してくれている文章があったので、そちらを以下に示したい。

マスターがアナログにせよデジタルにせよ、「可能な限りマスターに近い音源が欲しい」から、すなわち「最初に作られたそのままの姿で音楽を聴きたい」からこそ、ハイレゾ音源を買うのある。

なぜハイレゾ音源を買うのか-言の葉の穴より引用

本来ならその曲のマスター音源を聴ければいいのだが、そんな事は一般家庭では無理な話である。CDはそのマスター音源を出来るだけ一般向けに聴けるように作り直されたものである。だが、技術の進歩によりその役割をCDに任せる必要はなくなった。お手軽に安く聴きたいならダウンロード音源でも事足りる。多少値が張ってもよりマスター音源に近いものが欲しいなら、ハイレゾ音源を買えばいいのである。どちらにせよ中古で買うよりはアーティスト側に利益が還元される。

とは言え、まだCDが確実に無くなるという決定的なニュースはない。だが、人によってはCDなしで音楽を楽しむなんて事はもう当たり前に時代になっている。案外、5年先の未来ではCDが音楽市場の第一線から退いている、なんて事はまるでない・・・・?

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