Losstime Lifeの「不老不死」と1stアルバム「意志と死と詩」を買ってみた!!!

Losstime Lifeという3人組の音楽ユニットが居る。2人の歌姫である「白井舞」「TOYro」とブレーンの「龍崎一」から成るこのユニットは、筆者の音楽嗜好に新たな扉を開いた。筆者は彼等と彼等の創り出す音楽に敬意を表する為に、この記事を書いている。

基本的に彼等の楽曲を街のCDショップの店頭で買うことは出来ない。何故なら、彼等は主にネット上で楽曲を発表や提供、販売しているからである。彼等は有名な音楽事務所に所属することなく、自分達の力で活動をしている。世間一般で言う意味の「プロ」のアーティストではない、寧ろインディーズや同人という言葉が当てはまるかもしれない。しかし、彼らの楽曲には、世に溢れる商業音楽のそれらに負けない魅力がある。

Losstime Lifeの事を語る前にまず、筆者に彼らの音楽を引き合わせてくれたある動画シリーズについて少し言及する必要がある。

筆者が最初に知ったLosstime Lifeの曲は「不老不死」である。この曲はNDという人物が作った動画シリーズ「秘封霖倶楽部」のエンディングテーマに使われている(「秘封霖倶楽部」についてはいずれ別の記事でじっくり触れる予定なので、この記事では軽い紹介程度に留めたい)。最初に「不老不死」を聞いた時は、「この曲、意外と良さそうだなあ」と軽く考えていた程度だった。しかし、何本か「秘封霖倶楽部」を観終わる度に、「不老不死」が、筆者の中で少しずつ染み渡っていく事に気付いた。

「不老不死」自体は「秘封霖倶楽部」の為に書き下ろされた曲ではない。「不老不死」に限らず、龍崎一氏は自分達の楽曲の一部を著作権フリーのshort ver.として人が使用することを許している。そんな「不老不死」がなんと、見事に「秘封霖倶楽部」の世界観にぴったりとハマっているように聴こえているのである。それまで事情をよく知らなかった筆者としては、そのあまりの曲の出来の良さにてっきり「秘封霖倶楽部」に提供される前提で創られた曲だと勘違いしていたのである。

「秘封霖倶楽部」の物語は主人公の霖之介、そして蓮子とメリーの3人が中心となって繰り広げられている。「秘封霖倶楽部」シリーズの話は一部を除き基本的には独立していて、それぞれがパラレルワールドのようなものとして存在している。そして、霖之介はとある理由により蓮子とメリーの2人を見張る役目をこなす傍ら、彼女等と共にこの世の何処かに存在する「怪異」や「悪意」と出くわす・・・・というのがほぼ共通した粗筋である。

大概の場合、蓮子とメリーは大なり小なり「怪異」や「悪意」が引き起こす被害に巻き込まれてしまう。そして、霖之介はそんな彼女達を救おうと奔走するのである。霖之介が対峙する「怪異」や「悪意」は並大抵のものではない。やろうと思えば平気で人を傷つけ、その命を奪う事が出来るいずれも酷いシロモノばかりである。それでも彼は自分も死ぬかもしれないという恐怖に、避けられない最悪の結末に立ち向かう。そんな霖之介を想起させるような歌詞が「不老不死」には込められている。

また、霖之介は、蓮子とメリーに引きずられる日常を半ば面倒と思いながらも、それらがいつの間にか自分にとってなくてはならない大切なものになっている事に気付く。どんな状況でもどんな世界でも、「怪異」や「悪意」とは対照的に眩しく輝く「それ」を守ろうとする霖之介の色褪せず変わらない意思そのものこそが、「不老不死」であるかのような気さえ感じさせてくれた。

「不老不死」という曲そのものから些か見当が外れてしまう感想かもしれないが、筆者はこのような感動をこの曲から覚えたのである。そして、この曲の作り手を探した結果、ついにLosstime Lifeを見つけたのである。同時に1stアルバム「意志と死と詩」が売られていたのだが、筆者が見つけた時は残り1点だった。後に、半ば反射的に購入ボタンを押してしまった自分が居ることに気付くのにそう時間はかからなかったのである。

Losstime Lifeの楽曲は原則、BOOTHでダウンロードして買う事が出来る。「不老不死」の場合、購入すると対応する歌詞とジャケットが手に入れられるようになっている。また、楽曲のファイル形式を任意に選択出来るので、筆者はflacでダウンロードした。その場合はハイレゾ仕様となっているので、出来るだけマスター音源に近い高音質で聞きたい作者にはとても嬉しい采配である。一方「意志と死と詩」はCDであり2018年12月7日現在、在庫が復活しているとはいえ、いつ品切れになってもおかしくない状態である。更に龍崎一氏はファンからの質問に対して、Losstime LifeにおけるCDの扱いを含めた以下の回答のを発している。

このように「意志と死と詩」が気になっている人は早めに購入した方が良いだろう。ちなみに筆者が注文をしたところ、きちんと期限内に商品が発送され綺麗な状態で届いた。この部分も高評価である。

ここからは収録曲の個別の感想を簡潔に述べようと思う。

  1. 意志ト死ト詩
    本作のリードトラックとも言える曲である。曲中で繰り返される白井舞氏とTOYro氏による「意志ト死ト詩」の掛け合いは、耳に残るほどの中毒性を帯びていて印象的である。
  2. 不老不死Album Ver.
    原曲よりもバンドサウンドが強く、ドラムによるイントロが追加されている。ロックバンドを好んで聞く傾向にある筆者としては嬉しいアレンジである。
  3. カルモ街の分かれ道
    とある街の中に居る「僕」の歌。寒い冬の夜空の下、イルミネーションが灯った街の中に居るような気分になる。
  4. 八雲-Album Ver-
    何処かヨーロッパのような風情を漂わせる前曲と打って変わって和風テイストの曲。TOYro氏の歌声も急に幼さが混じったかのように、がらっと雰囲気が変わっている。
  5. モーニンググローリー
    YouTubeの試聴動画を見た時から気に入っていた曲。朝に聴きたくなるような爽やかさと、何もかもを受け止めてくれるような雄大さを併せもっているようである。
  6. 上演二十四時間 feat.-MASA Works DESIGN-
    人生を舞台に例えるならば、をLosstime Life流に創られた曲。RADWINPSの「学芸会」を思い出す。
  7. リリカルステードレイト feat.中路もとめ
    ポップでキャッチ―な曲だからと言って、歌詞の内容までそうだとは限らない。
  8. Electric Heart feat.すいっち
    EDMばりばりのメロディと白井舞氏の歌声が調和して、非常にスタイリッシュな仕上がりとなっている。
  9. あなたに恋をしなければ
    ピアノ主体のバラード曲。
  10. NexTop
    オートチューンのかかったTOYro氏の歌声がいい。
  11. 言花-コトハナ- ALBUM Ver.
    イントロのピアノとギターが好き。
  12. Flower
    アルバムの中で唯一Losstime Lifeの3人が全員、ボーカルとして参加している。アルバムの締めに相応しい曲。

実は、筆者の元に「意志と死と詩」が届いた時にちょっとしたサプライズがあった。それはアルバムの他に1枚のカードが入っていたのである。其処には「Feel Ground」という曲をダウンロードする為のQRコードが描かれていた。アルバムを買った人にもう1曲プレゼントしてくれるとは、Losstime Lifeもなかなか粋である。

「Feel Ground」という曲は既にYouTubeで公開されている。

筆者の手元にある「Feel Ground」は上記のそれとは違い、「鈴晴」という女性がボーカルを担当している。鈴晴氏は元々朗読・声劇を中心に活動しているようで、レコーディングした曲は件の楽曲のみであるらしい。鈴晴氏はあるファンからの質問に以下のように答えている。

筆者としては鈴晴氏が歌う「Feel Ground」の方が、初音ミクのそれより性に合っているぐらいである。個人的にあまり初音ミクの曲を好んで聴かないきらいもあるが、曲の持つファンタジー溢れる御伽話のような雰囲気と、鈴晴氏の透明なくらいに澄んでいて綺麗な歌声が絶妙にマッチしていると思っているからである。だからこそ、この曲をMP3形式で聴くのがかなり勿体無いと感じた。「Feel Ground」に関して、龍崎一氏は以下のようなツイートをしている。

やはり2つのver.を持つ「Feel Ground」を、いつかは正式にリリースして欲しいものである。また、鈴晴氏が歌う「Feel Ground」がもっと色んな人に聴かれるようになったらいいと思っている。その為に貴方はやはり「意志と死と詩」を買うべきなのである。ついでに、既にBOOTHで「意志と死と詩」を買った人の中に、上記のカードとは別の特典を貰ったという人は是非、筆者に情報を提供してほしい。お願いします!!!何でもしますから!!!

冒頭でも述べたが、Losstime Lifeとの出会いは筆者にとっての新しい音楽の形を示してくれた。筆者は元々4つのロックバンドを好んで聴いていて、其処から少しだけ聴く音楽の種類が増えた。更にエロゲのサントラや主題歌に食指を伸ばした。しかし、これらはいずれも規模の違いはあれど、商業音楽という1つの枠組みの中の音楽とも言えた。そして、Losstime Lifeは商業音楽という枠組みから外れたところで音楽活動をしている。そんな彼等の音楽を知りもっと聴きたい応援したいと、まだ素直に向き合える自分が居る事を確認出来たのが嬉しかった。

「人間、30過ぎれば新しい音楽を受け付けなくなる」といった話は何処でも聞く。実際こんな歳を迎えると、周りの人間とする音楽の話なんて更に減るし、そもそも音楽の話自体しなくなっている。周りも其処迄音楽に対して熱心でなければ尚更と言えるかもしれない。ただ筆者自身は寧ろ、年々聞く音楽が増えているし、音楽に対する感性はまだ衰えていない方なのかもしれない。筆者が恐れていることの1つは、自分の知らない又はまだ良さが理解出来ていないものに対して、完全に徹底的に受け付けなくなっている自分を受け入れてしまう事である。いつか突然、HDDの中の曲を削除してすっきりしてしまっている、なんてことにならない保証なんて何処にもない。

また、「今の音楽はつまらない」なんて言葉を聞くが、筆者はそんな事は無いと思っている。プロの音楽にもつまらないものはあるし、世に知られていない優れた音楽がネット上の何処かにあるなんてことはもう珍しくないくらいである。もし音楽がつまらないと思っているなら、もっと自分で探してみたらいいと思う。個人の嗜好は兎も角、こんなにも色んな音楽に巡り合う事が可能になっている世の中で良かったと、筆者は思っている。自分が良いと素直に感じれるかどうかが大切であり、それ以外の「ロックこそ嗜好」だの「エロゲの曲なんてどうせ気持ち悪い」だの「クラシックの生演奏が本当の音楽」だの、よく分からない偏見と思い上がりの混じったくだらない考えは、肥溜めにぶち込めばいい。

だから、筆者にとって好きな音楽が増えるのは非常に喜ばしい事であり、Losstime Lifeの訓練された信者としての第1歩を踏み始めたのは確実である。

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