誠と響子、2人の力が起こすのは奇跡かそれとも・・・。(アマツツミ 響子ルート感想 その1)

 今回から響子ルートの感想を書いていく。あずきさんを救い再び平和な学園生活を送ろうとした誠の元に、恋塚愛が同じクラスに転校してきた。愛は誠を里に連れて帰りたいようだが、誠は里に帰りたくないので話は平行線を辿るばかり。そして、誠がこころと身体を重ねたことを愛が知り、誠と彼女の間には気まずい空気が漂ってしまう。元々許嫁の関係でもあった愛の為にも、誠は自分の意思をはっきりと伝える。

こころ 12
 「こころを抱いたことは認めるが、まだ迷っているところがある」、それが誠の正直の答えだった。こころを好きではあるがやはり兄妹として過ごしてきた手前、完全に異性として向き合うのに時間が必要であり、誠自身も自らのこれからを決めるのにまだ迷いがあったからである。愛は一応、誠の答えを受け入れたようである。そして、物語は次の局面へと進んでいく。

 

響子 1
 愛が誠のクラスに入ってきてから数日が経った。愛はそのマイペースを崩さず学園生活を送っていたが、クラスメイト達には受け入れられているようである。愛自身も退屈な授業よりもクラスメイト達の相手をしているようがマシなのか、素っ気ない態度を取りつつ無視することは決してしなかったのである。そんな愛の様子を見て、誠はふと響子のことを考える。響子も愛に負けず劣らずの美人なのに、まるで自分の存在を無かったことのようにしていて、クラスメイトも響子に話しかける事は殆どない。誠は愛と響子にはどんな差があるのか、自分には感じなくて周りが感じているものなんなのか、ふと気になっていた。
 昼休み、誠のクラスにこころとほたるがやって来た。先日行うことの出来なかった、響子も交えてのお昼ご飯をという事だったが、肝心の響子が既に教室から居なくなってしまっている。仕方がないので誠とこころにほたる、それに愛も加えた4人でお昼ご飯を食べる事になったのである。このメンツで普通にお昼を過ごすことは勿論無い訳で、ほたるが誠に自分のお弁当のおかずをおすそ分けしたのである、それは俗に言う「あーん」というやつである。ほたるの行動とそれを平然と受け入れる誠に、分かりやすい態度で止めようとするこころである。それにしても、こんな状況でも平然と受け入れる誠に筆者ですら呆れざるを得ない。目の前が段々滲んでくるのは気のせいに違いない筈である。そして、愛もほたるの真似とそれ以上の行為、「口移し」を誠にしようとするがあえなくこころに阻止されてしまう。誠を賭けた姉妹バトルが始まりつつある、そんな昼休みだったが誠は響子の事が気になり、トイレのついでに彼女が居ると思われる図書準備室に向かうのであった。
 響子は昼休みになると大抵は図書準備室に居た。響子は自分の存在が周りの和を乱してしまうと思っている。しかし、その一方で友人を欲しがってもいる。言霊を使えば解決出来る事かもしれないが響子が自分の力で克服する事に意味がある、誠もその辺はよく分かっていた。だが、学園生活の初日に響子は自分から誠に話しかけてきたのである。誠はその事を響子に指摘したが、響子はかぶりをふる。響子にとって、誠は自分の過去を知らない人間でありそして・・・・・誠に憑いている守護霊が、響子に勇気を奮わせる原動力となっていたのである。誠自身は、自分に守護霊が憑いているのか分からない。響子によると、誠に憑いている守護霊は比較的徳の高いものらしい。そして、高等な守護霊が憑いている人間はやはりそれに見合う素晴らしさを持ち合わせているらしいのである。実際に巫女として活動しているせいか、響子は普通の人間よりも超常の何かを感じ取る力があると筆者は感じる。ここら辺の部分はかなりの長所と言えるかもしれないが、アピールするのが難しいというかまず理解して貰えないのが常なのだろう。しかし、もっと現実的に響子に積極的になって貰う為に誠はある方法を試そうとする。それは、響子が読んでいた恋愛小説に出てくる図書室でのシチュエーションを実演するというものだった。
 結果から言うと、この方法は失敗に終わった。実演の途中で体勢を崩してしまい誠と正面から向かい合う形になった響子が、その状況に堪えられず硬直してしまったからである。響子の緊張は言霊の力でも簡単には直らないというか、すぐに復活するようであり誠も思わず感心してしまう。しかも、響子は実演の事を忘れて誠にキスされることを期待していたようだ、しかも「その先」も。それが分かったのは誠が言霊で聞きだしたからである。誠はそれを聞いて、「なんだ、襲っても良かったのか」とがっかりしている・・・・・・おい。そんなこんなで午後の授業の時間が始まる前に、図書準備室を後にした誠と響子だった。
 教室に戻った誠は、折角なので愛にも響子の友達になって貰おうと考え、愛に響子の事を紹介する。愛は特に嫌がる事もなく、響子を受け入れたようである。しかし、愛も単に響子と友達になろうとしただけではないようで、授業が始まる直前に誠にも「お願い」をする。空き教室で2人っきりになった誠と愛は、久しぶりの交わりを楽しむ。恐らく愛は、前からこういう機会を狙っていたのかもしれない。愛の言霊で強制的に促される誠も、自らこの状況を楽しんでいく。しかし、里の時とは違い今回は挿入迄するのを愛は拒んだ。その日が「あの日」であることや、まだ里に帰ることを決めかねている誠へのあてつけもあったのかもしれない。基本的に誠の事が好きな愛だが、こういう所は簡単に譲れないようである。それでも互いに求めていたという事実は間違いなく、一時の逢瀬を楽しむ誠と愛だった。


響子 2
 休み時間、光一と雑談を交わしていた誠のところに愛がやってくる。愛は隣のクラスの人間にナンパされていたようだが、愈々耐え切れなくなって誠達の所にやってきたようである。最終的に愛は言霊を使い追い払ったが、そのやり取りを見て不思議に思っている光一に誠は念のために言霊を使い忘れさせるが、今度はそれを響子に見られてしまう。響子にも言霊で忘れて貰わなければならない、そう考えた誠はせめてもの情けとして自分が言霊という力を使える事を響子に打ち明ける。すると、響子の反応は誠が予想していたそれとは正反対の、寧ろ尊敬の眼差しを込めて誠を見ているではないか。思わぬ響子の反応に力が抜けてしまう誠。響子自身も人には理解されにくい力を持っている事もあるのだろうが、寧ろ誠自身の人間性を信頼しているからこそ、言霊の力を持つ彼自身を受け入れられるのだろう。響子は聡明で強い娘だと筆者は思う。
 放課後、誠と響子は一緒に帰っていた。昼の件もあり2人の距離も近くなったのか、誠も話せる範囲で今まで住んでいた里の事や言霊について響子に打ち明けていく。響子も誠の話を聞いたことで、自分の霊感に対して僅かながら考えが変わりかけているようでもあった。神社への道程の途中で響子が転びかけ、誠が彼女を抱きかかえた後にそれは起こった。誠は自分の眼で見たのだ、今まで想像する事しか出来なかった幽霊の姿を。その時響子も誠が見たのと同じ幽霊を見たらしく、誠は自分の勘違いではない事を確かめる。誠が響子に触れる事で、幽霊を視認する事が出来るようになったのはこの時からである。この出来事が後にとんでもない現象を引き起こす前触れになるのを、誠と響子はまだ知らない。ともあれ神社に着いた誠は、いつもより出入りする人間が多い事に気が付く。響子によると、来週末に行われる灯篭祭りの準備のようである。そして話は灯篭祭りから、「既に亡くなっているが、もう一度会いたい人」に移っていく。そこで、響子は自らの過去とそれにまつわる幼馴染の話を語り始めた。響子には鈴夏というとても仲の良い幼馴染が居たが、ある日に湖で溺れかけていた響子を助けたのが鈴夏だった。何本もの幽霊の手に引きずり込まれかけた響子を助けた鈴夏だったが、代わりに鈴夏が引きずり込まれてしまうという後味を悪い悲しい過去だった。その過去は今も響子にのしかかるものであり、彼女は涙を流し始める。誠は響子をそっと優しく抱き寄せる。響子は泣きながら、その胸中を誠に語り続ける。「私が死んで、鈴夏が生きるべきたった・・・」、その一言が響子から放たれたその時だった。突然目の前を強い光が走り、強い言霊を使った時のような激しい疲労が誠を襲う。そして、驚きの声をあげる響子。誠と響子の目の前には・・・・1人の女の子が立っていた。しかし、誠は気付いた、「この子は人間ではない」。女の子はただ一言呟く、「響子・・・・」と。そして、響子はその女の子を知っていた・・・・・・。

 

 まだ、響子ルートの序盤なのに此処迄書くのに時間がかかってしまっていた。誠と響子の目の前に現れた女の子・・・鈴夏がこれからどのような波乱を物語に巻き起こすのだろうか。響子は幽霊が見えるという、言霊使いである誠や愛とも違う特殊な力を持つ女の子だ。そんな彼女が言霊使いである誠と触れ合う事で起こる未知の現象が、響子ルートの展開を盛り上げるのである。

 響子はこころとはまた違った魅力がある。大人しそうで地味な雰囲気でありながら、出るところは出ていて清楚というか静かな美しさを持っている。人と話すのが苦手で、ネガティブな表情をころころ変える所が可愛いし、それでいてその人の本質を見抜く不思議な聡明さも兼ね備えている。筆者としては響子の声も好きだし、何を隠そう、アマツツミのキャラソンの中では響子の歌を1番リピートしている。響子がこれから誠と深く関わっていくなかで、どのように変わっていくのかをも注目して欲しい。

 

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