こころだけでなく愛も。(アマツツミ こころルート感想 その3)

 今回はこころルートの11~13の感想である。

こころ 11
 誠は生きていた。こころの呼びかけに目を覚まし、自分が生きていることを確かめる。例の如く、今度は湖で倒れている誠に怒りながらも、誠が生きていることに安堵し泣きそうになるこころ。誠は慌ててこころを落ち着かせ家に帰ることに。家で再びこころに質問攻めに遭いひたすら謝る誠。ここら辺のやり取りはとても可笑しくて、行き倒れが趣味の主人公なんてカッコ悪いなあと筆者は笑ってしまった。話題を変えようとしたのか、こころに抱いた後の体の調子を尋ねる誠。こういうデリケートな話題をいきなるぶっこむ所は相変わらずの誠である。勿論こころは顔を真っ赤にするという当然の反応。取り敢えずこころを言霊で落ち着かせる誠だが、こころは本格的に付き合うかはまだ待って欲しいとのこと。言霊による兄妹関係とは言えこころにとってそれは大事なことであり、誠もまた折角築き上げた家族の関係をすぐ壊してしまうことに抵抗があったのである。お互いにすぐ答えを出せずに黙り込んでしまうが、こころから取り敢えずキスをしたいと言う。キスはいいのかと戸惑う誠だが、自らの心の声に従い、いざという所であずきさんが帰ってきたのである。やはり誠の言霊が通じたのか、入院する以前よりも体調がいいというあずきさん。そして3人は寄り添い、再び家族が揃ったことに喜ぶのであった。

こころ 12
 深夜の病院で1人、ある部屋に向かうほたる。そこに横たわる「誰か」にあずきさんが退院したことを告げる。こころルートではこれ以上この場面について言及されることはないが、ほたるには何か秘密があることだけはこの時点で予想出来る訳である。
 いつも通りの日常が帰ってきた。学園に向かう誠とこころを、青空の下で見送るあずきさん。今年は殆ど外出しなかったとこころに言わしめたあのあずきさんが、外に出ても平気なくらいに回復していたのである。誠も勿論変わらず元気であり、何もかもが元通りのように見えた。あずきさんが回復したことで心配の種が無くなったお陰なのか、こころもいつも以上に元気な様子。筆者もこころには元気で笑顔が一番似合うと改めて感じた。こころとの他愛のない会話の中で、誠はふと愛のことを思い出す。今は何処でどうしているのか、その疑問を解決してくれる瞬間がもうすぐ訪れるのを誠はまだ知らなかったのである。
 取り敢えず穏やかで楽しい学園生活を楽しもうと、改めて決意しながら教室に入る誠。光一と朝の挨拶を交わしながら、誠は教室に机が1つ増えている事に気付く。また転校生がやってくるという光一の言葉に、誠が嫌な予感を覚えた。「織部愛です」、教室に入ってきた転校生はやはり愛だったのである。たちまち言霊で自分の存在を認めさせる愛。外の世界に出てきてもその唯我独尊っぷりは、誠を困らせてしまうくらいに相変わらずだったのである。愛によると、彼女も含めて里の何人かが誠の捜索しているものの、誠を見つけたのは彼女だけらしいということであった。そして直接口には出さないものの、愛はいずれ誠を里に連れて帰りたいようである。ただ、今は誠と一緒にいたいという気持ちの方が若干強いのか、暫くは誠のように学園生活を送るようだ。そして粗方すべき話を終えると愛は帰ってしまったのである。当然、尻拭いをするのは誠であり(愛が本当にそれを頼むほど気にしているかはさておき)それを可哀想に思った筆者である。
 愛のことでクラスメイトの質問攻めに遭うことを恐れて、早々に帰宅する誠。そこにはあずきさんと・・・・愛が居たのである。登校する前にあずきさんが言っていたお化けの正体は愛のことであり、彼女が寝泊まりしていたのも最初から喫茶店折り紙であった。しかも、かつて誠がそうしたように愛も言霊であずきさんの娘になっている(しかも割と仲が良さそう)。勿論、愛のことを責めることは出来ない誠。愛がやってきてから誠の調子は狂ってばかりである。あずきさんが店の奥に引っ込んだ後、愛は改めて誠に、ここでの生活は楽しいかと問う。それに対し即答で肯定する誠。おそらく愛は肯定の返事を貰うことを分かった上で聞いたのかもしれない。ただ、誠に嘘を付いている気配が全く無いこと、「現在」の誠が本当に外の世界を楽しんでいることに愛は誠の態度や雰囲気で改めて理解したのだろう、と筆者は考えている。
 やがて、今度はこころが帰宅したので彼女に言霊をかける愛。すっかり織部家に入り込んでしまった愛だが、誠は4人になった家の家計を心配し始めこころに聞いてみることに。やはり赤字らしく、愛はしょうがないといった風情で札束を用意する。実際に見る札束に驚くこころ。筆者はこころが驚いた時のリアクションも可愛らしくてしょうがないと感じる。愛に「天使か!?」と聞いてくるこころ。それに対し「神よ」と自信満々に答える愛。言霊使いとしてのプライドか、それとも愛自身のプライドか分からないが、そこはどうしても譲れないらしい。まさかの臨時収入でこころに感謝される愛は珍しく困っている様子。愛が困っている様子も可愛らしい。こころが再び買い物に出かけて2人きりになる誠と愛。話は生活費から愛が寝る場所になり、愛は誠に挑発的な夜の誘いをかける。しかし、誠がすぐに答えなかったことが逆に愛を驚かせたのである。愛に嘘を付く気の無い誠は、正直にこころと肌を重ねたことを白状する。誠の告白に狼狽える愛。里では同年代が極端に少なく、許嫁の関係でもあった為に他の異性をあまり意識したことのない2人。誠が自分の知らないところで、他の女子と寝たことに混乱してしまう愛。いくら特別な力を持つ神の如き存在でも、色恋沙汰の前では普通のうら若き男女そのものなのかもしれない。愛のためにもはっきりさせる必要があると感じた誠はここで決断を下す。
 こころを愛している、誠は愛にはっきりとそう伝えたのである。この町で共にこころと生きたい、それが今の誠の望みなのである。こころが帰ってくる前に半ば強引に話を打ち切る誠。だが、そんな誠の望みを邪魔するのが自ら言霊で創り上げた兄妹関係そのものだった。それは愛にも改めて指摘されたことであり、誠自身も何度も考えてはいた事だった。誠から辞書を借りに来たこころにすぐ気付かないほどに、その時も誠はこころのことを考えていた。心地よい兄妹としてのやり取り、一方でその先に進みたいという欲求。その狭間で誠の心は揺れていたのであった。


こころ 13
 愛が転校してきて二日目、光一と響子にほたると顔合わせすることになった愛。光一にちゃん付けされるのを嫌がり一度は言霊で辞めさせる愛だが、誠に外の世界での人付き合いを諭され受け入れることに。ここら辺は積極的に里から出てきた誠とはえらい反応の差である。一方、響子に対しては自分の名前を覚えていたことが素直に嬉しかったのか、割とすぐに愛は彼女を受け入れた。愛もほたるの独特のテンションには疲れを覚えずにはいらえなかったようである。学園からの帰り道、愛の呼び方について話に花を咲かせる3人。そこで、こころがうっかり転んでしまい、手を差し出す誠。こころは誠だけでなく、愛の手も借りたいようで、やれやれと言った具合に手を差し出す愛。立ち上がったこころは、このまま3人で手を繋いで帰りたいようである。誠は勿論承諾するが、愛は兄妹で手を繋ぐのはおかしいとして、手を放してしまう。漫画でも兄妹が手を繋いでいるのにと、残念がるこころ。愛は漫画という単語に思わず反応する。
 こころの部屋に集まる、誠と愛。愛は本棚にある漫画の数に圧倒されてしまう。里では本や漫画などの書物は無かったので、当然の反応なのだろう。筆者は本や漫画の無い生活は御免なので、そういう意味では誠よりも早く里を飛び出しそうである。3人は各々部屋にある漫画を楽しむことに。愛が漫画を読んでいるうちにくすりと笑う。愛の反応に喜ぶこころ。誠も本に興味があるのは言及されていたが、愛はどちらというと漫画の方に興味をそそられているようである。自分が漫画を読んで笑っていることを、どうしても認めたくない愛。ちなみに彼らは少女漫画を読んでいるらしく、背表紙のそれが白泉社の少女漫画レーベル、花とゆめコミックスをモデルにしているように見える。一通り漫画を読み終えた3人。愛は一応兄妹が手を繋ぐことには納得したようだが、兄妹の恋愛には依然反対の様子。さらにこころに追い打ちをかけるように意地悪な質問をする愛。誠とこころの関係は愛の登場により更なる混迷を迎えようとしていた。

 誠とこころとあずきさん、3人が一緒に抱き合うイベントCGは感動的であり「家族」

としての素敵な在り方が描かれていると感じた。それからのOPの挿入はまさに物語の壮大な始まりをよく演出していて圧巻だった。また、愛が誠の前に現れたことにより、劇中の人間関係がどう変化するか等の楽しみが増したように、筆者は思う。兄妹の恋愛を良く思わない愛に対して、誠とこころの関係はどうなるのか。筆者としても改めてプレイし直しつつ、書ける限りのことを記事にしたい。

 

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする