響子と鈴夏、二度目のお別れへ・・・。(アマツツミ 響子ルート感想 その2)

本記事では響子ルート「7~12」について書いていく。

響子 7
光一と響子が語る鈴夏の人物像が微妙に食い違っていることに気付いた誠は、ある結論に辿り着く。

響子 8
自らの死を受け入れようとしている響子に対して、誠は説得を試みものの彼女の意志は中々変わらない。

響子 9
灯篭流し当日、響子と鈴夏の互いを想う気持ちがぶつかり合う。

響子 10(ルート分岐回)
鈴夏との別れを経て新たな1歩を踏み出した響子、そして誠は彼女の想いに応える。

響子 11
誠と響子は恋人になったものの、それを彼の許嫁である愛に納得してもらえるかという問題があった。

響子 12
誠は響子の為に、言霊を使って彼女の「霊感」を一時的に封印することを思いつく。

実際に死んだ人間が蘇るということはまず無いし、多分、我々は各々の大切な人の死を受け入れられるようにはなっているのだろう。だから、その人が再び目の前に現れたとするならば、きっと響子と同じような気持ちになっても不思議ではない筈である。しかも、其処に自らの負い目を感じていたとしたら尚更である。

しかし、物事は単純にはいかない。その鈴夏は「本人」ではなく、響子から生まれた1つの存在だった。それでも、響子は鈴夏を生かす為にわが身を捧げようとしていた。響子にとっては、鈴夏が本物かそうではないかはある意味、問題ではなかったのかもしれない。鈴夏が自分の身代わりになって死んだ、その事実をどうしても受け入れられなかったのだろう。

響子はあまり自己主張するタイプではなく、どちらかと言えば人の意見を受け入れることの方が多いように見える。そんな彼女でも鈴夏のことになると、自分の考えを簡単に曲げることはしなかったし、誠の(言葉、そして肉体も駆使した)説得でさえも頑なに拒むほどである。

だから、灯篭流しの時の響子と鈴夏のやりとりには、真に迫るものがあった。本当なら二度と出来ない筈だった生者と死者の対話。今迄行き場が無く初めて吐き出されたであろう響子の悩みや苦しみ。そして、それを只々優しく受け入れる鈴夏。お互いを想う親友だから出来るやり取りであり、嘘偽りのない言葉が響子の心を少しずつほぐしていく。此処での、響子と鈴夏が互いの手を繋いでいるCGがより臨場感を強めていて良かったと思う。

響子と鈴夏の別れの場面には、コトダマ紡ぐ未来のインストが流れ、非常に感動的な仕上がりとなっていたと思う。最後の最後に、響子は鈴夏ともう一度、しかし、今度は響子自身がちゃんと生きる為のお別れを、出来たのが良かったと思う。

灯篭流しの後、響子と付き合うことになった誠だが、愛との関係を解決するのに一役買ったのはまさかの響子だった。響子の強力な説得?により、三角関係が当面続くことになったが、こういう時の彼女は無駄にたのもしいのが不思議である。

「響子 12」以降で、響子は誠によって一時的に霊感を封じられた状態で生活を送ることになる。鈴夏が居なくなった後でも、彼女の霊感は相変わらず働くようであり、それは響子の日常に若干の不自由さをもたらしていた。響子のこれからの幸せの為にと言霊を使い、誠は彼女の霊感を封じた。それが誠と響子の物語のどのような影響を与えるのか。次回の記事で響子ルートの感想を締めたいと思う。

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